黄昏に香る音色
放課後になった。

今日は、雨が邪魔しない。

綺麗に輝く夕焼けを、背にして、

ゆうはいた。

手摺りから離れ、渡り廊下の真ん中で、無邪気な笑顔を浮かべ、

明日香を迎えた。

息を切らしながら、明日香は、渡り廊下に来た。

嫌な事も、心配事も、忘れられる。

いや、忘れさせてくれる場所。

ほんの一時じゃない。

この時間は…。

だから、

この黄昏に、溺れたい。

先程までの心配と、疑問と、遣る瀬なさの間にある…

この幸せな夕暮れの時間を、

大事にしたい。
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