黄昏に香る音色
「ゆう…うそ…だよね…ゆう…」

明日香の言葉に、ゆうは、

首を横に、振った。

悲しげに、笑顔のまま。

ゆうの淡い瞳から、涙がこぼれた。

「でも、最後に…君を助けられて、よかった」

ゆうは、グラウンドの向こうに、消えていく夕焼けを見た。

「この時間が、永遠だったら…ずっと、明日香を守りたい」

「ゆう…」

「ただ一度。ただの一度でいいから…君の音を、聴きたかった」

夕陽が沈んでいく。

「明日香。大好きだ」

ゆうは微笑みながら、明日香に向けて、手を差し出した。



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