守ってくれますか?
「ナオ様のことよ。」

アンリ様は、肘掛け椅子にゆったりと腰掛けながらも、私を睨みつける。


やっぱり・・・というか、それしか話す事なんてないか。

確か、噂で駆け落ちなんて騒がれちゃってたんだよね?

さて、どう説明するべきか――


「駆け落ちでは無かったようね?」

アンリ様が冷ややかに聞く。


「はい。勿論、そんなわけありません。」

私はキッパリと答えた。


「それじゃあ・・・・・どうして“2人で”いなくなってたのかしら?」

アンリ様の瞳に宿る、怖いくらいの鋭い光。

憎悪の輝き。


「・・・・・・それは・・・・・」


この人に言うべき?
言っていいの?



―――駄目だ。



言っちゃ駄目だ。




―――どうして?


どうして、言っちゃ駄目なの?



アンリ様はナオ様を、本当に心配してなんていないから?




―――それとも・・・・・




私のただの意地?





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