守ってくれますか?
意地、か。
うん。そうだ。私の意地だ。


言いたくない。

駆け落ちしたって思っていてもらいたかった。


だって・・・・・

どうせ、私の想いは、報われないんだから。


意地くらい、張らせてよ。



ぐっと口をつぐんだ。


「何?言えないの?」

アンリ様の瞳がギラギラ光る。


「・・・・・ナオ様にお聞きください。」


答えてくれるはずだから。
本当のことを言ってくれるはずだから。


私みたいに、変な意地を張ろうとなんてしないから。
そんな必要、ないから。



「ふぅん・・・。まぁ、そうね。ああ、早くナオ様とお話したいわ。」


アンリ様がうっとりと言う。
頬に赤みがさす。


綺麗だ。
今のアンリ様、すごく綺麗だ。




―敵うはずない―




婚約者という肩書きはある人に。

こんなに、綺麗な人に。





敵うはずないんだ―――




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