守ってくれますか?
「私、飲まず食わずで、寝てもいませんでした。
でも、それは、私の体が拒否をしていて・・・・
だから、私、用意してくださっても、食べれないんです。」

王子様が、痛いくらいに私を凝視した。

「・・・すみません・・・・」
私はペコリと頭を下げた。

「・・・そういうこと、か・・・・
だが、ヒカリ。このままではお前・・・・」

王子様が心配そうに私を見る。

ああ、本当に優しい人だなあ・・・・
私なんかの心配をしてくれるなんて・・・

「大丈夫ですよっ!王子様!!」
私は明るく言った。

「私の生命力は、ゴキブリ並みに強いですから!」

私は誇らしげに王子様を見た。
「心配は無用です!!」

それでも不安そうに眉間にしわを寄せている王子様。

「ホント、大丈夫ですってば!だいだい、今私が死ねるわけないんですから。
・・・だって私、私の兄弟が幸せになるまで、死なないって決めてるので。」

私は不敵に笑いながら続けた。

「私の決意は、ずいぶん固いですよ?」

そうして、ようやく王子様の眉間からしわが消えた。

ふう、よかった。

「・・・・・じゃ、寝ろ。」

王子様はいきなり、王子様の部屋のドアを開けながら言った。

「・・・あの、王子様?さっきの話、聞いてました?」

「もちろん聞いていた。だが、睡眠は用意もないだろう?
・・・寝れなくてもいい。とりあえず、横になった方がいい。」

・・・・・王子様っ!!!
優しすぎるっ!!!

< 52 / 598 >

この作品をシェア

pagetop