守ってくれますか?
「欲しく、ないですか?私のこと・・・。貴方のものに、したくないんですか?」

・・・今、ステージの上で、胸の大きい女が、アピールとやらをしている。
女は肩を服から出し、太ももをちらちら露出させている。

ステージ下、つまりこちら側からは男たちがそれを値踏みするように見ている。

そして、時々金額を叫んでいる。

なるほど。
競りみたいなモンなのか。

「80億。」
そう、誰かが叫ぶと、その場は静まり返った。

・・・・・そして、その女は80億で売られた。

ま、妥当な金額だったんじゃねえか?
俺は冷静に考える。

「・・・ふっ。」

思わず薄笑いがこぼれた。

何、俺、冷静に観察してんだよ。
もしかして俺って、影の商売とか、けっこういけんのか?

・・・王子として、どうなんだソレって。


そうこうしている内に、次の奴が出てきた。

周りの人らが、息を呑んだのがわかった。


なんだ?

俺はステージの上に視線を向ける。


そして、目を見張った。
< 58 / 598 >

この作品をシェア

pagetop