素敵彼氏の裏の顔
「美優!!」
不意に背後から声がして、びくっと飛び上がる。
どっきりに遭ったように、心臓がバクバク音を立てる。
この声は……
この低くて刺すような声は……
あたしを拉致するまでどこへでも行く男……
あたしを妹のように思い独占する、淳ちゃんの声だった。
「じ……淳ちゃん、また学校に乗り込んできたの!?」
素っ頓狂な声を上げるあたし。
そんなあたしの隣で身を硬直させる楓。
あたしがこんな大声を出すなんて、楓も思っていなかっただろう。
淳ちゃんは神出鬼没で。
淳ちゃんが来たいときはいつでもあたしの前に現れて。
……大学にまで現れるの、結構迷惑なんだ。
周りの学生がひそひそ話をする。
あからさまに顔を歪める人もいる。
淳ちゃん、ここは高校ではないんだから!