素敵彼氏の裏の顔

そんな淳ちゃんを見て、先輩たちはさらにヒートアップした。





「城内のくせにつれねぇなぁ」



「お前、神木に殺されかけたんじゃなかったのかよ」



「何回言わせる気だ。

あいつは何もしてねぇよ!!」




淳ちゃんはそう言って苛立たしげに煙草に火をつけた。



禁煙……

だなんて言えるはずもない。

灰色の煙に包まれ、再びあたしは顔を背けた。






背けられたあたしの視線に入ったもの。

それは暗いカウンターに、様々なアルコールの瓶。

あたしみたいな子供とは、かけ離れた大人の空間。

カウンターにいるカップルが迷惑そうにこっちを見た。





淳ちゃんは、完全に店の選択を間違えている。

ここは優雅にお酒を嗜む場所であり、騒ぐ場所なんかではない。