僕と彼女の秘密の物語。


「ごめん、ちょっとトイレ」


僕はそう言って立ち上がると、個室を出た。



少しは気が紛れるかと思って来てみたけれど、逆効果だった。

さっきか、頭から彼女のことが離れない。

何なんだろう、これは…


僕は一体、何が不満で結局どうしたいのだ。



触れさせてくれない彼女に、触れてみたいだけなのか。

満たされない欲望を、ただ満たしたいだけなのだろうか。

一度抱かせてくれれば、それで僕は満足なのだろうか。



……わからない。


触れたいけれど、


そうしたら僕たちのこの関係は、なかったことになるような気がして…


友達でも、恋人でも、セフレでもないこの関係が、



この脆くあやふやな僕たちの関係なんて、簡単に壊れてしまう気がして…


そうしたら二度と、元には戻れない気がする。




僕が彼女と会うことも、言葉を交わすことも、普通に話すことだって出来ない。


そんな気がするんだ。




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