僕と彼女の秘密の物語。
「…で、何?お前ら付き合うの?」
「え?」
「え?じゃねーよ!
寝たんだろ?ミユキちゃんと!
それともアレか?
一夜限りの関係ってやつか?!
祥太の分際で!!」
「…お前、声でかいよ」
興奮する高橋をなだめて、僕はため息をついた。
今の高橋にどんな話をしたって、きっとめんどくさいことになる。
「僕、次の講義があるから」
「あっ、祥太!逃げるなよ!」
本当は講義の時間はまだ先だったけど、僕は高橋を振り切って歩き出した。
ミユキという女とは何もなかった。
結局何もしないまま、ホテルに置いてけぼりをくらった。
だけどおかげてはっきりした。
僕は構内を歩き回った。
この広い構内で、彼女の姿を探し出すのは簡単なことではない。
そもそも僕が、もしくは彼女が、この大学に進学していなければ…
僕たちはきっと、出会うこともなかった。
あの日、あの資料室で出会ったことが偶然だったとしても、
その偶然はもう二度と起こらないかもしれないんだ。
視線の先に、彼女を見つけた。
彼女は女友達数人と、談笑しながら歩いている。
僕はズンズンと彼女に向かって歩いた。
近付くにつれ、周りの人が向かってくる僕に気付く。