僕と彼女の秘密の物語。
最後に彼女が、僕に気付いた。
僕をとらえたその瞳が、一瞬困ったように曇った。
「……何?何か用?」
周りのひとりが僕に向かって聞く。
僕はじっと、彼女から視線を離さなかった。
「美乃梨の知り合い?」
「…う、ううん」
彼女は動揺して首を横に振った。
「じゃあ何、まさか告白?
やめときなさ…」
「西野美乃梨さん」
他の人の言葉を遮って、僕は彼女の名前を呼んだ。
「初めまして。
僕、経済学部二回生の立花祥太って言います」
「だから、あなた……」
「あの、
僕と、デートしてくれませんか」
ーーーーーーー…
「西野さん、こっちですこっち」
僕は彼女に向かって大きく手を振った。
「そんな大きな声出さなくたって聞こえてるわよ、もう」
彼女はどこか恥ずかしそうに当たりを見回した。