僕と彼女の秘密の物語。


その頬は紅潮し、潤んだ瞳で僕を見上げていた。



「……やめて……お願い……」


息ともつかないかすれた声で彼女が囁くようにそう言った。

そしてその潤んだ瞳から、一粒の涙がこぼれた。



僕はもう一度、彼女の身体をギュッと抱きしめる。




「すみません…

触らないって約束、僕はもう守れそうにありません。

これ以上そばにいたら、僕は西野さんを無理やりでも抱きます」


そう言うと、彼女の身体がピクリと硬直したのが分かった。


ゆっくりとその身体を離す。



「だから、もうこれで最後にします。

もう、あの資料室には行きません。

もう、西野さんのそばには寄りません。


西野さんが……

西野さん自身が、僕に触れたいと思うまで、僕に触れてほしいと思うまでは……」



「……たい……」


「え?」


「痛い!痛いの!!

足!ちょー痛い!!」


「えぇ?!」



ボロボロと涙を流しながら泣きわめく彼女の足元を慌てて見た。

すると、膝のところが擦りむけて血が流れている。






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