十二の暦の物語【短編集】
『綾香ー。裕太ー。静かにしないとご近所迷惑だよー』

夜中とは思えないテンションの高さ
夜中とは思えない音量の大きさ
少し何時もよりも大きな声をだして呼びかけた

「だって姉ぇちゃんがっ」
「だって裕太がっ」

2人共大声を上げて私を睨んできた

いや…そんなに睨まれても私困るんだけどな…

『静かにできないならもう寝な。初詣も無し』

きっぱり言い放つと、綾香も裕太も少しは音量を下げてくれた

最後の一粒を口に入れる
酸っぱくて甘い汁が口に広がる
ずず。と音を立ててお茶を啜る

『はー…』

やっぱり大晦日は…お茶と蜜柑とコタツですね
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