十二の暦の物語【短編集】
「睦月(ムツキ)ー。ちょっと手伝ってー」

台所からお母さんに呼ばれた

『何ー?』
「おせち料理詰めるから手伝ってー」
『えー…コタツから出たくないー』
「お母さんだって寒いの。早くー」
『はぁい…』

湯呑みと綾香と裕太が散らかしたティッシュ
そして私の食べた4枚の蜜柑の皮を持って立ち上がった

台所に行くと、お母さんが重箱に伊達巻を詰めていた

「あっ!睦月またそんなに蜜柑食べたのー?食べ過ぎると手ー黄色くなるよー」
『だって美味しいんだもん』

ゴミ箱にティッシュと蜜柑の皮を捨てながら返した
お母さんの隣に行くと、あと一段で終わりだった

「睦月は黒豆詰めてねー」
『はーい』

一粒一粒お箸でつまんで重箱に入れていく
美味しそうだなぁ
…駄目だよ?こんな時間に黒豆なんて甘い物食べたら太る気がする
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