不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


顔に熱が帯びていき、頬が真っ赤に染まった。



恥ずかしさから結ちゃんの優しい瞳を見ていられなくなって、あからさまに視線をそらした。



でも



温かい手の感触がいつまでも残って、ほとぼりが冷めてくれない。



好きって気持ちが胸の奥でくすぶって今にも溢れ出しそう。



「結ちゃん……あたし」



「ん?」



結ちゃんの腕に回していた手の力を強めると、結ちゃんは横目に優しくこっちを捉えた。



その瞳に胸の奥がギュッと締め付けられる。



「す、すっ……」



バンッ



その時

リビングのドアが勢い良く開いた。



大きな音にびっくりして、その場で小さく体が跳ねる。


反動でその腕をパッと離した。



心臓が尋常じゃないくらいバクバクいってる。



あたし、今なに言おうとした⁉



好きって……



そう言おうとしたよね。



きゃあああ、なに考えてんの?

あたしのバカ‼



「愛翔、いくら慣れ親しんだ家でも人んちなんだから……もうちょっと静かにドア開けろよ」



「うっせぇなぁ」



「お腹空いたでしょ?さ、座って座って」



テンションの違う3人の会話をあたしは呆然と聞いていた。


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