不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
「うち、門限なんてないんだけど」
隣にいる無表情の愛翔の顔を覗き見る。
その顔は真っ直ぐ前だけを見つめていて、少し不機嫌そうにも見えた。
「お前んちのオヤジ、遅くなったらうるさいだろ?」
「まぁ、そうだけど」
「俺んちにまで怒鳴り込んで来たし、遅くなると俺が色々言われんだよ」
「えっ⁉怒鳴り込んだの?パパが?」
ウソでしょ。
なんで?
「お前のオヤジ、俺らが付き合ってるって思ってるみたいだし」
李久が余計なことを言ったせいでこんなことに。
「色々心配なんじゃねぇの?俺がお前に変なことしないかとか」
へ、変なこと……⁉
「ご、ごめんね、誤解といとくから」
不思議だ。
愛翔と普通に話せてる。
気まずいと思ったのは最初だけで、今はそうでもない。