不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
愛翔はダルそうに壁にもたれながら
あたしの前では見せたこともないような笑顔で笑っていた。
その笑顔はなんだかすごく懐かしくて。
遠い昔の記憶の中にある愛翔の顔を思い出させた。
昔はあんな風に笑ってたよね。
いつからだろう。
変わってしまったのは。
ズキン
小田君と笑い合う愛翔を見ていると、胸の奥の方が小さく痛んだ。
まどかに引っ張られながら俯いて歩く。
不良軍団の声がもうすぐそこまで聞こえていた。
下を向いていてもわかる、突き刺すようなたくさんの視線。
周りにいたギャラリー達のヒソヒソ声まで耳に届いた。
「うわ、可愛っ」
「やべっ」
「つか、お前らと同じ高校の制服じゃね?」
口々にそう言う声が聞こえて、あたしはますます顔を下に向けた。
っていうか、なんか嫌な雰囲気。