不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
「お前さぁ」
そう言ったのは、あたしでも金髪男でもない。
「なに人の女に手ぇ出してんの?」
金髪男子の肩越しに、ものすごい殺気を放つ愛翔の顔が見えた。
敵意剥き出しのオーラは、その場を一瞬で静まり返らせる。
さっきまでうるさかったのに、今は冷たい空気が流れ込んでいた。
まるで百獣の王であるライオンのように、捕獲した獲物をじっと見つめる愛翔。
鋭い目付きにゴクリと息を呑む。
そっとまどかを見ると、体を強張らせて一点だけを見つめていた。
「えっ⁉お前の女?わ、悪いっ」
しどろもどろになりながら、金髪男子は愛翔とあたしを交互に見つめる。
「怒るなって。な?」
そして愛想笑いを浮かべながら、必死に愛翔に取り繕い始めた。