Kitty love
半分の成分
次の日の朝の俺の寝起き具合といったら、もう最悪だった。



「高原、何か疲れてんねー。もしや寝不足?」



2限目の体育が終わり、教室に戻ってきた後ぐったりと机に伏せっていた俺を見て、横山がそう声をかけてきた。

パタパタと下敷きで扇いでくるそいつに心の奥の隅のそのまた隅でほんの一握りというかむしろ一つまみだけ感謝しながら、俺は顔を少し横に向けて口を開く。



「……昨日兄貴たちが、自分らは次の日遅く起きられるからって『久々に徹夜でゲームやるぞ』とか言い出して……」

「おー、『やるぞ』って断言してるあたり、さすが高原のにーちゃんたちだよなぁ」



俺の兄貴たちの暴君具合を知っている横山がしみじみと言うが、俺はもうそれに言葉を返す気力もなく。

つーか、こんな日に限って体育がバレーとか馬鹿じゃねぇのあの教師。団体競技だと適当にサボれねぇじゃねぇかよあの教師マジでハゲてしまえ。



「たっかはっらせんぱ~い!」

「おお、このタイミングでまさかのハイテンション真白ちゃん」

「………」



スパーン、と勢いよくドアが開く音がしたと思ったら、次の瞬間不本意にも聞き慣れてしまった声で呼ばれた自分の名前。

なに、しねって? 神様は俺に今日しねって?
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