政略結婚~天使に導かれて~
楓と二人で、食事をし、楓の家のお店に行き、必要な家具や
雑貨を注文し、楽しい時間を過ごして、その日は帰って来た。

一旦、マンションに帰り、食材が何もなかったので、車を出して、
大型スーパーへ買い出しに向かった。

車の運転は、結構好きで、よく楓や大学の友達とドライブを楽しんだり
していたが、私は、運転が好きなわりに、方向音痴で、楓には
愛には、ナビ付の小型車にしなさいと言われ、国産の運転しやすい車に
乗っている。

スーパーでは、お米から水。肉や野菜など、結構な量を買い、車に乗せて
マンションへ帰り、荷物を部屋に運び、食材を冷蔵庫に片付けていると、
玄関の開く音がした。

ガチャ  「えっ・・・・」 振り向くと、颯太がいた。

「どうしたんですか?」

「自分の家に帰って来て、悪いのか?」

「いいえ、そんなつもりで言ったのではないです。あちらにお帰りに
 なるんじゃなかったんですか?」

少し、嫌味も込めて、そう言うと

「あぁー、その前に少し、話をしようと思って・・」

「はい、なんでしょうか?」

仕方がないので、まだソファーもないリビングに行き、床に座った。

「昨日も行ったように、土曜日はこっちに帰って来る。それから
 よくパーティーにも呼ばれるから、その時は、きちんと妻としての
 役目を果たしてくれ。
 それから、この口座に当面の生活費が入っているから、ここから
 出して生活してくれ。
 カードの番号は『〇〇〇〇』だ。
 それから、俺の連絡先だ。君のも教えてくれ。」

「はい。こちらになります。これからパーティーの時は、早めに連絡
 ください。支度がありますので。
 それから一つ、お聞きしても良いですか?」

「なんだ?」

「なぜ、好きな人と、結婚なさらなかったんですか?」

「君には、関係ないだろ・・・」
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