政略結婚~天使に導かれて~
そんな会話をしていると、愛がコーヒーを持って来た。

「颯太、コーヒーを持って来たわ。」

「ありがとう、愛。 これから会社の事での話になるから」

「うん、解ったわ。私は、庭にいるから用がある時は、呼んでね!」

「うん、そうするよ。」

愛は、そう言い残し、部屋を出て行った。

「島津さん、早速ですが、遺言状を作られるというのは・・・」

「はい、南条さん、私は、今、癌に侵されてます。医者からは、2月の
 段階で、あと半年と言われました。
 今の所、調子はいいですが、これから先、いつ倒れるかわかりません。
 ですから今のうちに、遺言状を作っておきたいんです。」

「解りました・・・・」

「私の預貯金、株は、全て愛にやってください。島津の株は、
 生まれてくる子供に半分、愛に半分。
 そして、ここからが大切な話で、悠太もよく聞いてくれ・・・。

 俺の三回忌が終わったら、愛を島津の戸籍から抜いてくれ・・・」


「兄さん・・・・それは・・・・」

悠太は、颯太の言葉の意味を理解出来なかった。
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