政略結婚~天使に導かれて~
「愛は、今まだ21歳だ。
 俺が死んで、三年経ってもまだ20代半ばだ。
 あいつの人生は、まだまだこれからだ・・・・。
 生まれてくる子供は、島津の子供だから、島津の戸籍からは外せない。
 でも愛は、いくらでも良い男が現れれば、再婚できる・・・。
 そのためにも、愛には、西園寺に戻って欲しい。
 三回忌が終わり、俺の遺言があれば、誰も文句は言わないだろう」

「島津さん・・・・」 「兄さん・・・・」

「解りました。島津さんの言う通りで遺言状を作りましょう。」

「よろしくお願いします。」

南条は、そう颯太に告げると、帰って行った。

颯太は、悠太に

「すまんが、少し疲れたから、横になるから、愛にそう伝えてくれないか?」

「解ったよ、兄さん。 少し休んだ方が良いよ・・・」

悠太は、颯太の顔色があまり良くないのが気になり、颯太に早く
横になって欲しかった。

悠太は、颯太がベットに入ったのを確認すると、愛を捜しに庭に
出たが、愛はおらず、少し家の周りを捜した。

すると、砂浜に愛が立っているのが見え、愛に近づくと
愛は、静かに涙を流していた・・・・。

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