政略結婚~天使に導かれて~
暫く泣くだけ泣くと、すっきりしたのか、愛は、

「ありがとう、悠太さん。私、また頑張るから!」

そう言うと、愛は別荘に向かって歩き出した。

その後を、悠太は歩きながら、愛に

「愛ちゃん、我慢しないで、泣きたかったらいつでも言って。
 胸だけは貸せられるから・・・」

「はい、その時はよろしくお願いします。フフフッ、悠太さんて、
 本当に優しいですよね!」

「そうでもないよ。会社じゃー、正体がばれた今では、鉄仮面って
 呼ばれているよ・・・兄さんより酷いんじゃないか!?」

そんな他愛のない会話をしながら、悠太は愛が愛しくて仕方なかった。

だが、颯太の遺言を聞き、悠太は、颯太の愛に対する愛情の深さを知り、
2人に自分が入り込む余地がない事を、再度確認した。

自分には、颯太のように、愛する人が出来るのだろうか・・・・。

そんな風に思うのであった・・・。
< 125 / 225 >

この作品をシェア

pagetop