政略結婚~天使に導かれて~
「兄さん、調子はどうだい?」

「おぉー、悠太か?久しぶりだな!?」

「本当に。全くうちの親父と爺さん達は、俺をどこまで扱き使うんだろう
 よく兄さん、今まで我慢してたと思うよ!!」

「ハハハッ・・本当に人使い荒いぞ!家の親族は!!」

悠太は、そう言いながら、颯太が起き上がったのを確認すると
光太を、颯太の腕の中に入れてやった・・・。

「なぁー、悠太。俺は、いよいよ迎えが来そうだ・・・・・」

「兄さん・・・・」

「悠太、最後の俺の頼みを聞いてくれないか!?」

「なんだい?頼みって・・・」

「お前が、結婚するまででいいから、愛と光太の力になってくれ。
 島津も西園寺も二人を大切にするだろうけど、やはり相談出来る
 相手が必要だ・・・。
 ましてや光太は、男の子だ。
 光太には、父親としての愛情を、俺はこれから先、与えてやることが
 出来ない。
 せめて、お前が結婚するまでは、光太の父親代わりを頼みたいんだ・・。」

「兄さん・・・・・・」

「もっとも、三回忌過ぎたら、お前が愛と結婚してもいいぞ!?」

「に・兄さん、何言ってんだよ!!」

「俺が、お前の気持ちに気が付かないとでも思ったか!?」

「まぁー、愛次第だがな・・・・」

「とにかく、二人を、頼む。俺は、愛の再婚相手は、お前だと
 嬉しいけどな!?
 それから、俺が亡くなって、三回忌の時の愛の件だが、
 この手紙を愛に渡してくれ・・・・頼む」

「兄さん・・・・・解ったよ。再婚の話は、別としても、手紙は
 ちゃんと渡すし、愛ちゃんと光太の事は、責任もって守るから
 安心して・・・・」

「ありがとう、悠太・・・」

颯太は、話を終えると、光太と一緒に、ベットに潜り、眠りに入った。
< 139 / 225 >

この作品をシェア

pagetop