政略結婚~天使に導かれて~
愛は、退院後、別荘に戻ってからは、今までと変わらない生活を送っている。

ただ、寝室には、颯太本人ではなく、颯太の写真とお骨が置いてあり

「颯太、おはよう!今日も良い天気だよ!?
 光太、パパにおはよう!って」

目を覚ました、光太を抱きながら、愛は颯太の写真に向かって、
話しかけた。

日中は、光太の育児に追われている為、家事は、全て優子に任せ、愛は
一日のほとんどを、光太と一緒に寝室で過ごした。

そんな愛を、華英と優子は心配しながらも、光太といる時の愛は、
だいぶ笑顔が出るようになっていたので、二人は温かく見守っていた・・・。

「愛、お茶にしない?」

「はい、今行きます。」

愛は、華英の誘いに、光太を連れて、華英と優子がいるリビングに
向かった。

「光太、おばあちゃんの所へ来ますか?」
 
と、華英は、光太をとても可愛がっていた。

もちろん華英だけじゃなく、島津も西園寺も、皆が光太にメロメロで、
豊と君子は、週末には予定がない限り鎌倉へ来ており、その際、
服やら玩具やら、買ってくるため、別荘の一部屋は、颯太の部屋に
変わっていた。

孝三もトキを連れて、よく鎌倉に来る。

ひ孫の可愛さに、来るたびに光太をビデオに撮り、写真も沢山
撮って行くため、孝三の所には、光太のアルバムが、既に、
何冊も出来上がっていた・・・。

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