政略結婚~天使に導かれて~
再び、玄関のチャイムが鳴り

ガチャ

「どうぞ、お上がりください」

愛が、笑顔で玄関を開けると、そこには、会社で見た時よりもやつれて
目が虚ろな栞が立っていた。


「望月さん・・・・・・」

愛は、栞の変わり果てた姿に驚き、呆然としていた。

「あなたさえ、現れなければ、私は、颯太と別れる事はなかったのよ!
 あなたさえ、居なければ、颯太は、私のものだったのよ!!!」

大声で、栞が叫び始め、それに気がついた楓が、リビングから玄関へ
出て来た。

その時、栞は、バックの中から、果物ナイフを取り出し、愛に向かって
ナイフを突きつけた。

次の瞬間、『グサッ』という音と共に、愛が玄関で倒れた。

「きゃー・・・愛!・・・愛!・・・・」

楓が、お腹から血を流す愛を抱き起した。

「愛!愛!しっかりして。愛!」

その様子を見ながら、栞は、薄笑いをしながら

「私の颯太を、返して貰うわ!これで、邪魔者はいなくなったわ!」

栞の言葉に、楓が言い返そうとしたとき、出勤していた颯太が帰って来た。
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