政略結婚~天使に導かれて~
颯太は、島津に入社してから、本当に仕事を頑張り、大学を卒業してから
最初の3年間は、母方の姓で入社し、身分を隠して仕事をしてきた。

入社してからの3年間は、ただひたすら仕事を覚え、その後、社長の
息子であることを明かし、今度はトップとしての仕事や勉強が始まった。

父、豊は、颯太の母とは死別しており、その後颯太の母の友人であった
君子と結婚した。

そして豊と君子の間にも子供が生まれ、それが弟の悠太だ。

悠太は、今、颯太と同じようにアメリカへ留学している。

今年の夏には帰って来る予定になっていて、その後は、どうするのか
決まっていない・・・。

継母の君子は、颯太の母と親友だった事もあり、颯太は特別、寂しい
思いをしたことはなく、君子にはいつも愛情をかけてもらっており、
颯太は、君子に感謝していた。

ただ、父の浮気癖が、時たま出るのがこの夫婦の問題なのだが、颯太から
見ると、君子は、豊を手のひらで転がしているように見え、豊も君子には、
頭が上がらないようで、浮気が見つかると、君子に釘を刺され、そそくさと
愛人と別れている。

颯太からすれば、どうせ別れるなら、最初っから浮気なんかしなきゃ
良いのにと思っているが、豊はそうではないらしく、最近では、豊は
君子の気が引きたくて、浮気しているように見えていた・・・。

どっちにしても、豊は君子とは別れるつもりはなく、君子もそんな豊の
考えを解っているかのような状態なので、颯太が口に出すこともなかったが
端から見たら、この夫婦は異様な夫婦に見えるだろう・・・。

君子に言わせると、『豊は、私が構ってあげれなくなると、浮気するのよ
 豊は、あなた達より性質の悪い子供なのよ!』と、いつも笑っていた。

そんな君子の懐の大きさを感じずには、いられなかった・・・。




< 68 / 225 >

この作品をシェア

pagetop