恋人たちのパンドラ【完】
その日壮介は悠里を腕の中に抱きしめたまま眠った。

やっと自分の腕の中にこれから自分の家族になる二人を抱きしめていると思うと、どこか浮足立った感じでなかなか寝付けなかったが、

すやすやと出会った日のように眠る悠里の顔を見ると、

今までのどんな睡眠時間よりも心も身体も休まるような気がしていた。

「おやすみ」

そう優しく告げて眠る悠里の額に口づけをして壮介も目を閉じた。

< 189 / 233 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop