恋人たちのパンドラ【完】
***
翌日、先日のこともあってか課長に直樹も一緒に連れていくように言われて同行させていた。
悠里はこの課長の計らいに心底感謝していた。
(町田君がいれば、壮介との距離も上手にとれるはず)
そう自分に半ば言い聞かせ、今回の打ち合わせの内容を確認しながら三国百貨店本社へと向かった。
受付で社名と名前を言うと、昨日とは違う低層階の会議室に向かうよう案内された。
(やっぱり昨日の部屋は壮介の部屋だったんだ)
そんなことをぼんやり考えていると、乗っていたエレベーターが到着を知らせる音をたてて、ドアが開いた。
一歩廊下へ踏み出し、会議室に直樹と共に向かおうとしたとき、その先に壮介が部下とおぼしき男性と話しながらこちらに向かってきていた。
一瞬のうちに悠里に緊張が走った。しかし直樹の手前それを懸命にさとられないようにした。
翌日、先日のこともあってか課長に直樹も一緒に連れていくように言われて同行させていた。
悠里はこの課長の計らいに心底感謝していた。
(町田君がいれば、壮介との距離も上手にとれるはず)
そう自分に半ば言い聞かせ、今回の打ち合わせの内容を確認しながら三国百貨店本社へと向かった。
受付で社名と名前を言うと、昨日とは違う低層階の会議室に向かうよう案内された。
(やっぱり昨日の部屋は壮介の部屋だったんだ)
そんなことをぼんやり考えていると、乗っていたエレベーターが到着を知らせる音をたてて、ドアが開いた。
一歩廊下へ踏み出し、会議室に直樹と共に向かおうとしたとき、その先に壮介が部下とおぼしき男性と話しながらこちらに向かってきていた。
一瞬のうちに悠里に緊張が走った。しかし直樹の手前それを懸命にさとられないようにした。