恋人たちのパンドラ【完】
何やらメモを取りながら、目で私のほうを見る。

手元のメモを見るように促されるので、それを覗くと‘まだ、帰るな’と書いてあった。

課長に了解の意味で右手の指を輪っかにしてジェスチャーで答える。

電話が終わるまで、席に座って待っていた。

課長は受話器を置くと

「三国の、碓井専務から電話だった。お前に代ろうとしたけど急いでるみたいでさ。今日の打ち合わせの資料でどうしても一つ見当たらないものがあるらしい。悪いけどそれこの場所まで届けてくれ」

そう言われて走り書きされたメモを見るとここから2駅ほど向こうにある繁華街の店の名前が書いてあった。

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