家族
カタッという物音で、春夫は目を覚ました。
時計を見ると十一時を回っていた。机で書類を広げているうちに、いつの間にか眠ってしまったようだ。首がどうもだるく、大きく首をぐるりと回した。ここしばらく仕事が忙しく、睡眠時間も少なかったせいだろう。今日こそは早く寝ようと、珍しく早く会社から帰ったのだが、どうしても気になる書類があったのを思い出し、仕方なく机に向かったのであった。
先ほどの物音が気になり廊下に出た。家の中は相変わらず静まり返っていた。物音は玄関のほうから聞こえてきたと思う。春夫は足音を殺し玄関に向かった。
玄関の靴を見ると、貞夫の靴が増えていた。さっきの物音は貞夫が帰ってきた音だったのだろう。
(また、こんな時間に・・・)
と、春夫は思った。
貞夫の帰りが遅いのはいつものことで、一体こんな時間まで何をしているのか春夫は知らなかったが、いつも何も言わなかった。だが、今日こそは喧嘩をしてでも貞夫を叱ろうと、春夫は思った。叔父としてこのままじゃいけないと思ったのだ。今日梨佳と会って話をしたことで、春夫の中の何かが変わったのかもしれない。まだ仲の良かった頃の家族を少し思い出したからなのかもしれない。
春夫は貞夫の部屋へ向かった。
貞夫の部屋の前で、春夫は呼吸を整えた。
同じ家に住んでいながら、貞夫の部屋を訪れるのは久しぶりである。
春夫は小さく頷いて、戸をノックした。
「貞夫、入るぞ。」
ノブを回す。鍵はかかってなかった。春夫は一気に戸を開けた。
部屋の中は真っ暗だった。目を凝らしてみるがベッドの上にも貞夫の姿はない。貞夫は部屋の中にはいないようだ。春夫は拍子抜けしたが、トイレかもしれないと思い返し、部屋の戸を閉め再び玄関のほうへ戻り始めた。
仏間の前で春夫は足を止めた。先ほどは気づかなかったが、部屋の中から小さく明かりが漏れていることに気づいたのだ。
春夫は小さく引き戸を開け、中を覗き込んだ。
時計を見ると十一時を回っていた。机で書類を広げているうちに、いつの間にか眠ってしまったようだ。首がどうもだるく、大きく首をぐるりと回した。ここしばらく仕事が忙しく、睡眠時間も少なかったせいだろう。今日こそは早く寝ようと、珍しく早く会社から帰ったのだが、どうしても気になる書類があったのを思い出し、仕方なく机に向かったのであった。
先ほどの物音が気になり廊下に出た。家の中は相変わらず静まり返っていた。物音は玄関のほうから聞こえてきたと思う。春夫は足音を殺し玄関に向かった。
玄関の靴を見ると、貞夫の靴が増えていた。さっきの物音は貞夫が帰ってきた音だったのだろう。
(また、こんな時間に・・・)
と、春夫は思った。
貞夫の帰りが遅いのはいつものことで、一体こんな時間まで何をしているのか春夫は知らなかったが、いつも何も言わなかった。だが、今日こそは喧嘩をしてでも貞夫を叱ろうと、春夫は思った。叔父としてこのままじゃいけないと思ったのだ。今日梨佳と会って話をしたことで、春夫の中の何かが変わったのかもしれない。まだ仲の良かった頃の家族を少し思い出したからなのかもしれない。
春夫は貞夫の部屋へ向かった。
貞夫の部屋の前で、春夫は呼吸を整えた。
同じ家に住んでいながら、貞夫の部屋を訪れるのは久しぶりである。
春夫は小さく頷いて、戸をノックした。
「貞夫、入るぞ。」
ノブを回す。鍵はかかってなかった。春夫は一気に戸を開けた。
部屋の中は真っ暗だった。目を凝らしてみるがベッドの上にも貞夫の姿はない。貞夫は部屋の中にはいないようだ。春夫は拍子抜けしたが、トイレかもしれないと思い返し、部屋の戸を閉め再び玄関のほうへ戻り始めた。
仏間の前で春夫は足を止めた。先ほどは気づかなかったが、部屋の中から小さく明かりが漏れていることに気づいたのだ。
春夫は小さく引き戸を開け、中を覗き込んだ。