月と太陽
結婚記念パーティーなのだから、「おめでとう」の一言でもかけようか。
でも、美月は両親の結婚を喜んだことがなかった。
小学生の時、父と母が離婚し、母が家を出て行った。それ以来、父と兄と3人で暮してきた。もっとも、敏腕音楽プロデューサーである父は仕事にかまけて、家に帰ってくるのは、1週間に数日だったから、ほとんど、兄と2人で暮してきたことになる。
その父が、ある日、ありえないくらい早く帰宅し、雅樹と美月を呼んで、「会わせたい人がいる」と切り出したのは、美月が中学2年生のときだった。その週の日曜日の昼に、高級ホテルの中の、立派な中華料理店へ連れて行かれ、美月と雅樹は、新しく家族になる2人と初めて会ったのだった。
雅樹と美月の本当の母親とは、全く正反対な印象の女性と、その娘。
真っ白なパンツスーツを着こなしたその女性は、美月と雅樹の母親とは、本当に正反対だった。2人の母親は、おっとりしていて、穏やかで、優しくて、和やかなオーラを持つ女性だった。いつも、ふわりとしたスカートやワンピースを好んで着ていて、パンツスーツみたいな種類の服は、多分持っていなかった。
でも、美月は両親の結婚を喜んだことがなかった。
小学生の時、父と母が離婚し、母が家を出て行った。それ以来、父と兄と3人で暮してきた。もっとも、敏腕音楽プロデューサーである父は仕事にかまけて、家に帰ってくるのは、1週間に数日だったから、ほとんど、兄と2人で暮してきたことになる。
その父が、ある日、ありえないくらい早く帰宅し、雅樹と美月を呼んで、「会わせたい人がいる」と切り出したのは、美月が中学2年生のときだった。その週の日曜日の昼に、高級ホテルの中の、立派な中華料理店へ連れて行かれ、美月と雅樹は、新しく家族になる2人と初めて会ったのだった。
雅樹と美月の本当の母親とは、全く正反対な印象の女性と、その娘。
真っ白なパンツスーツを着こなしたその女性は、美月と雅樹の母親とは、本当に正反対だった。2人の母親は、おっとりしていて、穏やかで、優しくて、和やかなオーラを持つ女性だった。いつも、ふわりとしたスカートやワンピースを好んで着ていて、パンツスーツみたいな種類の服は、多分持っていなかった。