月と太陽
 その一ヵ月後から新しい生活が始まった。母が出て行ってからは、美月がやっていた食事作りは、新しい母がやるようになり、父は、毎日家族と一緒に食事をするようになり、日菜子は、美月が通っていた私立の中学校に転入した。



 日菜子は新しい中学校で、すぐに人気者になった。
 持ち前の明るい性格で誰彼となく親しくなり、得意の歌で、学校中の人気者になった。その頃から、それまでは全くといっていいほど目立たなかった美月も注目される様になった。
 日菜子の姉として。
 話しかけられても、美月自身のことを聞かれることはなかった。聞かれるのはいつも日菜子のことばかり。
 そのうちに、美月は、誰かに話しかけられるのが煩わしくなり、誰にも話しかけられないように、逃げ回ったり、図書館や屋上に隠れたりした。

 家でも同じだった。中心は日菜子で、食事中はいつも、日菜子の話で盛り上がった。
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