かえるのおじさま
だが美也子がそれに返したのは、可愛げのない一言であった。

「だって、どうせ元の世界には戻れないんだから、ここで生きていけるように頑張らなくっちゃ」

本当は美也子にだって解かっている。

せっかく可愛らしい容姿に生まれついたのだ。
にっこりと笑ってお礼の一つでも言えば、人間関係はさぞ円滑に回るのだろう。

ふと、ギャロの言葉を思い出す。

『集団生活で、根無し草稼業なんだ。人間関係くらいは平穏な方が良いだろ』
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