かえるのおじさま
ごもっともだ。慌てて取り繕いの言葉を探す。

「あの、えっと……」

そんな美也子に向けて座長が返したのは、心底からの微笑み。

「あんたは、本当に正直だねえ。ま、そのぐらいの方が、あの子にはちょうどいいのか」

美也子の前にどっかりと腰を降ろした座長は、テキストに使っていた冊子をとんとんと指でつついた。

「これはあたしが書いた、あの子の半生記さ。まずはこれを読みきって欲しい。正直なあんたのことだ、きっと正直な答えを選んでくれるだろうからね」

「正直なんかじゃ、ないですし!」

「解かってないねえ。そういうところが正直だって言うんだよ」

座長の声はあくまでも優しい。
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