かえるのおじさま
「あんたはいい子だよ。あたしゃ、神様なんか信じちゃ居ないがね、あんただけは、あの子の人生を哀れんで神様が寄越したんじゃないかって、そう思うのさ」

「哀れ?」

「あの子は誰よりも愛情深い。だけどね、それは寂しい気持ちの裏返しなのさ」

確かにギャロは優しい。
美也子がどれほど強がろうと、必ずそれを越える愛情で包み込んでくれる。

だから、昨夜も安心して泣いた。

だが、あれが寂しさなのだとしたら、彼はどれほどの傷を抱えているのだろう。

それに対して、どれほどの愛を返すことが出来る?

不意に、座長の娘がきゅっとしがみついてきた。

「ミャコせんせ、む~って顔すると、ビヨウに良くないんだよ」

「び? ああ、美容ね」

幼子を抱き上げる愛情深い仕草に、座長は大きなため息をもらす。

「子供……か。あの子に家族を与えてやって欲しいと願うのは、異界から来たあんたには酷なんだろうね」

それは妙な感覚を美也子に与える一言ではあったが、子供たちの手前、詳しく聞くのは気が引ける。

「別に、ギャロの子供なら……」

それだけを言うのが精一杯であった。
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