かえるのおじさま
美也子はギャロの隣に腰を下ろし、ビーズの小箱を引き寄せる。

「うん、解ってるから」

美也子は自分の声の冷たさに驚いた。
それに、ひどく可愛くない。

今まで付き合ってきた男たちは、この口のききようを嫌った。
「外見が可愛いのだから、それに見合う話し方があるだろう」と、面と向かって怒られた事もある。

それでも生来の性質を偽ることなど、美也子には出来なかった。

だから、言い訳をしたいのではない。
ギャロには誤解されたくないだけだ。

「ごめん……言い方、きつかった」

しかし蛙頭の男は、その大きな目玉をきょろんとまわす。

「別に、きつい事など言われて無いぞ?」

「え、ああ……うん」

「それより、こいつをどうするんだ? ただ紐を通しただけじゃ、そこらのガキが自分で作ったのと変わり無いだろう」

ギャロの興味は、美也子の膝の周りに並んだ小箱の中身に注がれている。

「これはね、こうして……」

美也子は太目の麻紐を手にとり、木の実のひとつを逆の手で取り上げてついっと通した。

それからもう一本、色の違う紐を取って同じようについっと木の実を通す。

「これを、ね」

くるっと軽く縒り合わせ、木の実のちょうど下を結ぶ。
わざと大きなこぶが出来る結び方がアクセントになるのだ。
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