可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「私達高校の教員は、1種免許状を取得して教壇に立っています。
 ただ、努力目標的なものですが、大学院卒の『専修免許状』を所持することが望ましいというのが、文部科学省の考えです。
 まだかなり先の話になりますが、管理職を目指すつもりの私にとって、専修免許状は絶対必要な免許なのです。
 そこで、大学院修学休業制度を使って、2年間の予定で勉強しに行きたいと思っています。
 ……K大学へ」

 俺が安西を京都に行かせたかった一番の理由は、実はこれだったりする。

 もちろん、R大学は全国の私大でもトップレベルだし、古典の勉強にはもってこいだから、というのもあるが。

「これは、菫さんには内緒にして下さい。まだ受験もしていませんし、学校事情で休業が認められない場合もあるので」

 お母さんとお姉さんが頷いた。

 ……お父さんが、俺を見てやっと笑ってくれた。

「ご理解いただけたこと、心から感謝致します。『悪い男』にならないように心がけます。そして、私以外の『悪い男』の心配は無用です」

 俺がそう言うと、お父さんとお母さん、そしてお姉さんも声を上げて笑った。
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