可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 10時になり、ようやく宴会はお開きに。

 最後にやっと玄関先で安西と話すことができた。

 そうだ、まだこれを伝えていなかったな。

 こっそり、周りに聞こえないように耳元で囁く。


「他の男との結婚式の招待状なんていらない。そんな悲しい結末、お前の妄想小説にはふさわしくないだろ?
 読者に『パワーアップして戻って来ます』って約束したんじゃなかったのか?」

 驚いた表情を浮かべている彼女に、再び囁く。

「ちゃんとチェックしてる。こう見えても全作品読破している、有難い読者だぞ」

「もう、読んでくれたんだ……みんな私のこと、忘れちゃってるみたいで。
 更新しても全然読まれなかったの……」

「そりゃあそうだろう。バッドエンドを好んで読むヤツって、そんなにいるとは思えないぞ」

「うん……でも、書かずにはいられなかったの」

「わかってる。だからって、今までの事はネタにするなよ。……これは、現実なんだから」

「うん。こんな大事なこと、ネタになんてできないよ。ありがと、先生」


 おやすみ、と言って、家を出た。

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