可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「そりゃ、たっぷり仲良しコース……と言いたいところだけど。
 今日のオススメはもっと仲良しコース、だな」

「ふ~ん。オススメのポイントは?」

「付き合い始めてまだ2日しか経っていない、初々しい彼女には、程よい仲良しレベルだし。
 遠距離恋愛になって寂しい彼氏にとっても、彼女と少しでも仲良くなりたい願望が叶うレベルだからな」

「じゃあ、それでお願いします」

 安西の返事を聞いて、嬉しくなった。力を込めて抱きしめる。

 俺は『ついうっかり』をほとんどしないと自負している。

 せめて、俺だけでも。

「了解。大丈夫。……菫は、無理しなくていい」

 初めて、本人に向かって名前を呼んだ。

 菫、いい名前だよな。

 これからきっと、何度も呼ぶ名前。

 腕の中の彼女は、緊張してがちがちに固まっている。

 なだめるように、頭を撫でた時。

 彼女の大きな目が、まばたきを繰り返し、一滴、頬に流れ落ちた。
< 242 / 282 >

この作品をシェア

pagetop