可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 初心者のくせに、俺が不快な気分にならないよう、自分で緊張をほぐそうとしているように見える。

 気を遣いすぎだ。

 それにしても、気になったことがひとつ。

「俺、お前の妄想でどんなことしてたんだ?」

「……」

 ぶんぶんと音が聞こえそうなほど首を横に振っている。言えないらしい。

 妄想の中の俺が、どんな凄いことをしていたのか気になる。

 何しろこいつの妄想はいつだってぶっ飛んでいる。

 Viola作の妄想小説では確か……

 俺様
 執事
 王子様
 幼馴染み
 ドS
 総長
 鬼畜眼鏡が出てきた。

 ……ちょっと待て。どんな期待をされてるんだ、俺!?

 その時、彼女が俺のシャツを引っ張りながらさらに首を振った。

「違うのっ! いくら妄想しようと思っても、その度に先生が厳しいツッコミを入れてくるんだもん」

「へ!?」

 さっきより、さらに間の抜けた声で聞きかえした。
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