可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 言えない。絶対に言えない。ダメだ!

「だから! 昨日、4月1日からだ!
 ……在学中の生徒に邪(よこしま)な感情を抱く訳がない!」

 多分、意味が理解できないのだろう。ぶつぶつ言っている。仕方がない。

「あと31年後に白状してやる」

 首をかしげているので。

「退職するまでの秘密だ。どうしても知りたかったら、その時まで側にいること。もちろん、それ以降も」

 と言って、また腕の中に閉じ込めた。
 
「うふふ。幸せ~。やっぱり、先生を好きになって良かった」

「ふ~ん。『もっと仲良しコース』の後でもその感想が聞けた、ということは。
 好評のうちに終了したと思っていいんだろ?」
 
  そう言ったとたん、耳まで真っ赤になっている。

「……うん」

 当然、だよな。無理強いは一切せず、耐えた甲斐があった。

「今日はもう寝よう」

「うん。おやすみなさい、先生」

「おやすみ、菫」
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