可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 菫が眠りにつくまで、頭を撫でた。

 昨日の夜、眠れなかったという彼女は、あっという間に眠ってしまった訳だが、彼女の穏やかな寝顔を見ているうちに、俺も眠たくなってきた。 

 真夜中を過ぎて、やっとうとうとした頃……。

 隣に眠る彼女が、やたらとくっついてくる。
 

 冷え性なのか、足が……特につま先が冷たい。

 その冷たい足を俺にくっつけて、無意識のうちに暖めようとしているらしい。

 俺がベッドの隅まで離れてもさらにまた、くっつけてくる。

 何の夢を見ているのか、にこにこ笑ってすりすりしてきた。


 頑張れ、俺。


 頭の中で、J・S・ミルやケインズ、アダム・スミスの肖像画とその著作を思い浮かべて耐えた。

 煩悩を追い払うには、やはり彼らの顔を思い浮かべるのが一番だ。

 我ながら、よく頑張った。

 そんなことはおかまいなしに、彼女はぐっすりと眠っている……。
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