可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 彼女が自分の周りをぽふぽふと叩きながら、上目づかいで俺を見る。

「あのね、ここ限定で、名前を呼ぶことにするよ、健(たける)さん」

 その姿で、その声で自分の名前を呼ばれるのは、かなり嬉しい。つい、ぎゅーっと抱きしめたら。

「あ! 先生、苦しいよ!」

またか。でも、急には変えられないよな。

「ここでの先生禁止!」

「……うん。努力する」

「連休中、そっちへ行った時もな」

 驚いて、目がまん丸になっている。

「先生、忙しいんじゃない?」

「また元に戻ってるぞ! 連休ぐらいは休ませてもらうさ」

「健さん、お願い! ちょっと苦しいよ~!」

 
 パジャマのままで、菫が朝食の準備をしてくれる。

 トーストにバター。
 目玉焼きとミルク。
 サラダとヨーグルト。

 いたってシンプルな、初めての朝食。素直に嬉しい。

 菫は『ジャムもあれば嬉しいんだけどな~』なんてちょっと不満げだったが。
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