可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「またネタ集めか? ま、いいけど。
 4月に家庭環境調査表っていうのが配られて、提出させられただろ?」

 学校によって名称は違うが、そういう書類はどこの学校でも必ず提出させる。

「うん。書いた」

「あれを元に作るんだ。生徒の住所・電話番号・生年月日はもちろん、保護者の職業や兄弟関係も載る」
 
「そうなんだ!」

 当然ながら、管理には十分気を遣うマル秘資料だ。

「ところで、先生の誕生日はいつなの?」

「……8月8日だよ」

「なんだか、末広がりで縁起のいい日に生まれたんだね」

 まあな。別にぞろ目とか8にこだわりはないんだが。

「夏休み中に産んでくれた母親に感謝してるんだ。生徒に余計な気を遣わせなくて済むからな」

 ……バレンタインデーもそうだが、実は生徒からプレゼントを頂くのは、とても心苦しい。

 高校生の限られた小遣いからなんて、申し訳なくてもらえない。

 だが、せっかく用意してもらったものなので、一応受け取ると、次の年はさらに沢山集まるようになってしまう。

 これからは『彼女に申し訳ないから』と言って断ることもできるのが密かに嬉しい。
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