可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「私も先生のお母さんに感謝しなくちゃ。
 夏休み中なら、こっちに帰って来てるから、一緒にお祝いできるもん!」

そういう考え方もあるか……。

「……この歳になると、誕生日なんて嬉しくないけど。
 菫に会えるなら、その機会を十分に活用させてもらわなきゃな」

 これからは一緒に誕生日を過ごせる。

 一緒に歳を重ねていけば、きっといろんなことがあるんだろう。

「じゃあ、次の質問! 血液型はなに?」

 ……時間を惜しむように話す菫。

 離れても解り合えるように、俺を理解しようと考えているんだな。

 二人でいられる時間は、あとほんのちょっとしかなかった。


「先生……ここなの?」

 目的地に着いて車を停めると、菫の眉間にしわが寄っていた。
 
 目の前に見えるのは、虫さされの薬でお世話になっている、あんこの入ったパン型ヒーローの店。

「……ここなら生徒には絶対に会わない。うちの教員もこの時期にこんなところへ来る訳がない。
 さらに、甥と姪へのプレゼントも選び放題だ!」

 ……ますます微妙な顔をしている。面白いけれど、そろそろネタばらしするか。
 


< 253 / 282 >

この作品をシェア

pagetop