可愛い生徒(カノジョ)の育て方
お店の人に教えてもらいながら、ジャムを作った。

菫はいちごと杏。

俺はりんごと梅。

鍋でことこと煮て、いい感じにとろとろになったところで、ビンに詰めた。

世界でひとつだけの手作りジャムの完成だ。

出来上がったジャムを持って、甥と姪へパン型ヒーローのお土産も買って。

この工房で作っている、テイクアウトのお弁当を積んで、また車へ戻った。

「楽しかったか?」

「うん、とっても!」

「夏休みに戻ってきたら、またジャムを作りに来て一緒に食べよう」

「うん。楽しみだね」

「……もちろん、朝食で、だからな」
 
「……お泊りが前提なの?」

「当然だろ。『仲良しコース』の選択は任せてやるから」

 照れて真っ赤になった菫を乗せて、青いパジェロは来た道を引き返す。


 もうすぐ、着いてしまう。

 桜さんとの待ち合わせのコンビニに着いたら、そこで菫と別れる。

 明日、京都へ向かう菫。

 月曜日で年度始めの明日は、どうしても見送りに行けない。

 それが分かっているのか、菫も見送りを頼んでこない。
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