可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 いつも、気遣いを忘れない彼女。

 俺の立場を守るためにさんざん我慢してきたのに、今でも我儘を言わないんだな。

 さっきまであんなににぎやかに喋っていたのだが、今は静かに景色を眺めている。

 多分、頭の中でいろんなことを考えているんだろう。
 
「やけに静かだな。まさか、車酔いか!? 吐くならトイレへ連れてくぞ」

 また、微妙な顔をして俺を見ている。

 わかってるって。

「何かまた、湿っぽいことでも考えてたんだろ?
『仲良し姉妹の温泉旅行』から帰ってくるんだから、そんな顔してちゃまずいぞ」

 雪国の国道は、かなり広めの路側帯がある。

 除雪のために、必要なのだ。

 もう一車線作れそうなその路側帯の奥に、Pのマークを見つけた。

 そこへ車を停めて、菫が話すのを、静かに待つ。

「大丈夫。ちゃんと……ちゃんと笑って家に帰るから」

 言葉とは裏腹に。

 彼女は涙を流していた。
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