可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「そんなにすぐ『男』だと意識されるということは、在学中からの『信用失墜行為』があるか、真面目に働かず生徒に色目を使ったか、ものすごい男前でフェロモン全開か……って事だ。
 どれも問題あり、だろ?」

「うん……そうかも」

「菫の在学中、そういった『禁じ手』を 一切使わないのが、俺の教員としてのプライドだった。だから、菫が『教員としての俺』を好きになってくれたのは、本当に嬉しい。教師冥利に尽きるよ」

 
「うまく言えないけれど、私は先生のそういうところも好き。
 ……私は、真面目に受験勉強し始めた頃から、先生が好きになったの。
 でも、もしもその頃、先生が私に『信用失墜行為』をしたら……。きっと、嬉しいけれど、不安で押しつぶされそうになってたよ。

 誰かにバレたらどうしよう。先生がクビになったらどうしよう。私の存在が先生に迷惑をかけたらどうしよう。
 誰にも相談できなくて、不安な気持ちがどんどん膨れ上がっちゃうよ。

 ケータイ小説の恋愛と、実際の恋愛は、責任の重さが全然違うもの。
 先生はそれをちゃんと解っていたから、私の小説にダメ出ししまくったんだろうし、私が卒業するまでずっと待っていてくれたんだよね?
 そうやって頑固に『先生』を貫き通した先生だから、こんなに好きになっちゃったの」
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