可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 自分の部屋に戻った。

 また、一人で食べる夕食。昨日の夕食が楽しかった分、寂しさ倍増、かも知れない。

 風呂に入り、ドライヤーを使っただけで、また思い出す。ピンクの歯ブラシがトドメをさす……。

 菫に惚れてることをこんなに自覚させられるとは、思いもよらず。

 明日は朝から職員会議だ。……司会に当たってた気がする。内職は無理か、なんて。

 これから、俺の縄張りも静かになるな。勉強にはもってこいだが、さみしい。

 あの甲高くて甘い声で『失礼します』というのは、もう聞けないのか。

 ……でも、それ以外の沢山の言葉を、これからは恋人として聞かせてもらえる。

 電話、してみよう。新しい携帯にかけてみた。

『もしもし』

「今、電話しても大丈夫か?」

『うん!』

「何してた?」

『明日の最終チェック、終わったところだよ。先生は?』

「風呂から上がって……お前の事を考えてた」
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